2007年10月16日
招福楼探検報告
10月は旧暦では、8~9月。ちょうど今年(2007年)は10月19日が旧暦9月9日、重陽の節句に当たります。
桃の節句、端午の節句とちがい今ではあまり聞く事はありませんが、戦前までは主に宮廷行事として行われていたようです。
中国では奇数は演技の良いものとされ、奇数(陽数)の最大数である九が重なるので「重陽」と呼ばれたそうです。菊酒を飲んだりしてけがれを祓い長寿を願いました。また、菊の被綿(きせわた)といって、重陽の節句の前夜にまだつぼみの菊の花に綿をかぶせて菊の香りと夜露をしみこませたもので、邪気をはらうため身体をぬぐっていたりもしたといいます。
日本の伝統的な文化を忠実に伝えている「招福楼」さんではこの重陽の雰囲気を味わえます。
床の間には「菊光」の掛け軸と、ちょうどボールのように丸く形作られた黄色い被綿(着せ綿)が飾られ秋の趣を演出しています。招福楼好みで誂(あつら)えられた塗りの膳も大きさと言い、胡坐をかいてちょうど良い高さと言い細やかな心遣いが細部までいきわたっています。
そして菊酒に始まる、「招福楼」の料理が供されます。
前菜(先付)は湯葉とうにのポン酢和え。ほうき草の実(とんぶり)乗せ。絶妙です。決して自己主張の強くない、そして素材の味そのままでもない、なんとも評しがたい、身体と心が求めている味とでも申しましょうか。ポン酢も僅かに出汁で割ってあるようです。器も上品な織部・・・・。この前菜から客は招福楼ワールドにぐいぐい引き込まれていきます。
先付に始まって
蕪と鴨団子の煮物、
穴子柴漬け飯蒸し、
鯛の御造り、
浜防風、
八寸(鶉焼き鳥、鯖生寿司、平茸辛煮、いぶし鮭のアボガド包み、揚げ銀杏松葉刺し等)
ゆりねと銀杏のシンジョ、松茸乗せ、強肴(太刀魚の蒸し物柴漬け乗せ)、
梅雑炊菊花仕立て、
しば栗葛もち、
抹茶、
ピオーネのワインゼリー寄せ。
心と身体に優しい、そして目に鮮やかな料理が、適切なタイミングで、しかもそれぞれにきちんと設定された暖かさ、冷たさで供されます。
私たちは昼の事で、酒も飲まず、やたら食べてばかりいたので厨房はさぞ大変だったのではないでしょうか。
料理を盛り付けてある器も、朝鮮唐津、秋らしい黄交跡(きこうち)菊皿、志野の湯のみ、市松障子蓋の縁高、塗り椀などなど、掌に優しい、ふうわりとしたやわらかい器を中心に心和むものでした。部屋の照明が控えめでしたので、写真はあえて取りませんでした。携帯についているカメラごときでは、あの適度な暗さの中で引き立つ器や料理の色・形は伝えにくいと思いました。
(同行の陶芸家氏は器に対してはまだまだ不満足のようでしたが・・・・以後、続く。予定)(M)
【招福楼】
http://www.shofukuro.jp/home.html
〒527-0012 滋賀県東近江市八日市本町8番11号
TEL 0748-22-0003 FAX 0748-23-3154
9:00~20:00/第1・3・5月曜休
桃の節句、端午の節句とちがい今ではあまり聞く事はありませんが、戦前までは主に宮廷行事として行われていたようです。
中国では奇数は演技の良いものとされ、奇数(陽数)の最大数である九が重なるので「重陽」と呼ばれたそうです。菊酒を飲んだりしてけがれを祓い長寿を願いました。また、菊の被綿(きせわた)といって、重陽の節句の前夜にまだつぼみの菊の花に綿をかぶせて菊の香りと夜露をしみこませたもので、邪気をはらうため身体をぬぐっていたりもしたといいます。
日本の伝統的な文化を忠実に伝えている「招福楼」さんではこの重陽の雰囲気を味わえます。
床の間には「菊光」の掛け軸と、ちょうどボールのように丸く形作られた黄色い被綿(着せ綿)が飾られ秋の趣を演出しています。招福楼好みで誂(あつら)えられた塗りの膳も大きさと言い、胡坐をかいてちょうど良い高さと言い細やかな心遣いが細部までいきわたっています。
そして菊酒に始まる、「招福楼」の料理が供されます。
前菜(先付)は湯葉とうにのポン酢和え。ほうき草の実(とんぶり)乗せ。絶妙です。決して自己主張の強くない、そして素材の味そのままでもない、なんとも評しがたい、身体と心が求めている味とでも申しましょうか。ポン酢も僅かに出汁で割ってあるようです。器も上品な織部・・・・。この前菜から客は招福楼ワールドにぐいぐい引き込まれていきます。
先付に始まって
蕪と鴨団子の煮物、
穴子柴漬け飯蒸し、
鯛の御造り、
浜防風、
八寸(鶉焼き鳥、鯖生寿司、平茸辛煮、いぶし鮭のアボガド包み、揚げ銀杏松葉刺し等)
ゆりねと銀杏のシンジョ、松茸乗せ、強肴(太刀魚の蒸し物柴漬け乗せ)、
梅雑炊菊花仕立て、
しば栗葛もち、
抹茶、
ピオーネのワインゼリー寄せ。
心と身体に優しい、そして目に鮮やかな料理が、適切なタイミングで、しかもそれぞれにきちんと設定された暖かさ、冷たさで供されます。
私たちは昼の事で、酒も飲まず、やたら食べてばかりいたので厨房はさぞ大変だったのではないでしょうか。
料理を盛り付けてある器も、朝鮮唐津、秋らしい黄交跡(きこうち)菊皿、志野の湯のみ、市松障子蓋の縁高、塗り椀などなど、掌に優しい、ふうわりとしたやわらかい器を中心に心和むものでした。部屋の照明が控えめでしたので、写真はあえて取りませんでした。携帯についているカメラごときでは、あの適度な暗さの中で引き立つ器や料理の色・形は伝えにくいと思いました。
(同行の陶芸家氏は器に対してはまだまだ不満足のようでしたが・・・・以後、続く。予定)(M)
【招福楼】
http://www.shofukuro.jp/home.html
〒527-0012 滋賀県東近江市八日市本町8番11号
TEL 0748-22-0003 FAX 0748-23-3154
9:00~20:00/第1・3・5月曜休
Posted byほんもの探検隊at07:40
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