2009年11月16日
マキノの“湖里庵”に本物を求めて―5―
汁椀は、カニシンジョの椀でした。これもカニの旨みと食感が生きた、本当においしいものでした。
お造りはマグロを炙ったもの、鯛が出されました。(この器も三吉坊謹製です。なかなかのものです)実は敦賀港まで僅か車で30分という海津。「冬はカニ料理もお勧めです」との店主のお話もうなずける、お造りの新鮮さでした。
次に供されたのが、なんと「カマンベールチーズで巻かれた鮒寿司」。日欧ファーメントフード対決と言ったところかもしれません。
そしてこの勝負、完全に鮒寿司に軍配が上がります。しかし、それはチーズをねじ伏せたという趣ではありません。チーズの味わいもしっかりと浮かび上がらせながら、いわばソフィスティケート(洗練)された鮒寿司の味わいを楽しませてくれます。鮒寿司!恐るべし!(M)
お造りはマグロを炙ったもの、鯛が出されました。(この器も三吉坊謹製です。なかなかのものです)実は敦賀港まで僅か車で30分という海津。「冬はカニ料理もお勧めです」との店主のお話もうなずける、お造りの新鮮さでした。
次に供されたのが、なんと「カマンベールチーズで巻かれた鮒寿司」。日欧ファーメントフード対決と言ったところかもしれません。
そしてこの勝負、完全に鮒寿司に軍配が上がります。しかし、それはチーズをねじ伏せたという趣ではありません。チーズの味わいもしっかりと浮かび上がらせながら、いわばソフィスティケート(洗練)された鮒寿司の味わいを楽しませてくれます。鮒寿司!恐るべし!(M)
2009年11月15日
マキノの“湖里庵”に本物を求めて―4―
当日は実は滋賀県民でありながら(?)鮒寿司はちょっと・・・と言う方も参加しておられましたが「これなら頂ける。これは美味しい」と完食されていました。
あまりに普及、大衆化してしまったため、雑に扱われる場合があったためか、発酵食品の宿命としてマニアックなまでに個性が強調されたためか、「鮒寿司?ああ、あの匂いの強いやつ?」と言う偏見が勝っているのは残念な事です。
雑菌が混じってしまうことが「悪臭」の原因とか。漬け込み樽の上に水を張って擬似クリーンルーム化された環境で、純粋に乳酸菌での発酵を促し続ける一徹な技だけがこのような至高の美味を私達に味わわせてくれるのでしょう。
琵琶湖固有種のニゴロ鮒や、清水などがあって初めて成立するこの「発酵食品文化」を知り、守っていく事は世界の人々に対する滋賀県民の責任か・・と壮大な事を思い出させてくれるのが鮒寿司かもしれません。
そのためにも一度でもよいので「湖里庵」さんの鮒寿司懐石を賞味されることをお勧めします。(M・写真は魚治サイトより転載)
あまりに普及、大衆化してしまったため、雑に扱われる場合があったためか、発酵食品の宿命としてマニアックなまでに個性が強調されたためか、「鮒寿司?ああ、あの匂いの強いやつ?」と言う偏見が勝っているのは残念な事です。
雑菌が混じってしまうことが「悪臭」の原因とか。漬け込み樽の上に水を張って擬似クリーンルーム化された環境で、純粋に乳酸菌での発酵を促し続ける一徹な技だけがこのような至高の美味を私達に味わわせてくれるのでしょう。
琵琶湖固有種のニゴロ鮒や、清水などがあって初めて成立するこの「発酵食品文化」を知り、守っていく事は世界の人々に対する滋賀県民の責任か・・と壮大な事を思い出させてくれるのが鮒寿司かもしれません。
そのためにも一度でもよいので「湖里庵」さんの鮒寿司懐石を賞味されることをお勧めします。(M・写真は魚治サイトより転載)
2009年11月15日
マキノの“湖里庵”に本物を求めて―3―
向う付けは、隊員の「三吉坊」さん作の皿に盛られて供されました。(急な器の変更だったので、やや窮屈な盛り付けになってしまったかな?)
鮒寿司を酒粕で漬け直した甘露漬け、鴨肉、サーモン、ごり山椒煮など、どれも丁寧な仕事のものでした。
が、同時に特別にお出しいただいた主役・鮒寿司の前にやや影が薄くなってしまった感もありました。
それほど「魚治」さんの鮒寿司は美味の極致であると言えます。
オレンジ色の卵が丁度よい塩梅に身に抱かれ、25Cmくらいのころあいのニゴロ鮒が近江の米と、越前の塩、そして湖底から湧き出る清水、北近江の寒風、さらに魚治さんの財産ともいえる乳酸菌など近江の自然によって産み出された“鮒寿司”は、特に米食人種である日本人にとって最高のファーメント・フード(発酵食品)と申して過言ではないと思います。
勿論それらを絶妙に塩梅して、日々“守り”を欠かさない蔵人の技と情熱も不可欠のものです。(M)
鮒寿司を酒粕で漬け直した甘露漬け、鴨肉、サーモン、ごり山椒煮など、どれも丁寧な仕事のものでした。
が、同時に特別にお出しいただいた主役・鮒寿司の前にやや影が薄くなってしまった感もありました。
それほど「魚治」さんの鮒寿司は美味の極致であると言えます。
オレンジ色の卵が丁度よい塩梅に身に抱かれ、25Cmくらいのころあいのニゴロ鮒が近江の米と、越前の塩、そして湖底から湧き出る清水、北近江の寒風、さらに魚治さんの財産ともいえる乳酸菌など近江の自然によって産み出された“鮒寿司”は、特に米食人種である日本人にとって最高のファーメント・フード(発酵食品)と申して過言ではないと思います。
勿論それらを絶妙に塩梅して、日々“守り”を欠かさない蔵人の技と情熱も不可欠のものです。(M)